1. |
邂逅
03:27
|
|||
|
作詞作曲：野口恵
朝の光も届かぬような北を向く窓を
いとも容易く抉じ開けるほど
咽ぶような暑い夏だった
さざれ雲の行く先は
次の季節を告げるように
とりとめの無い日々を
繋ぎとめていた
遠い誰かの知らせが届く暮相の街で
あなたのことを思い出せれば
不意に醒めた束の間の夢
さようならを言った後の懐かしい残り香のような
夕立の去った後のそよ風のような
あなたの声のする方へ
いとしい声の聴こえる方へ
心の赴くまま
出会える時まで
|
||||
2. |
行方知れずのあなたとわたし
03:08
|
|||
|
作詞作曲：稲葉篤史
あなたがいまごろどこで何をしているかなど
もう考えはしない
風の吹くままどこへだって行けると
嘯いていたあなたを憶えている
変わりばえのしない街を歩いても
こころは限りないあこがれに満ちている
足のつま先から這い上がってくる
夜の冷たさを堪え忍んだあとは
まだ行方知れずのあなたに会える
あなたがいまごろ誰と何をしているかなど
もうどうだってかまわない
手紙を書いたらあんまり上手に書けたから
出してしまうのが惜しい
岸辺のない海を漂っているのは
宛名のない積荷を載せた貨物船
こころの彼方を照らしているのは
終わらない夜にひとり立つ灯台
ほら行方知れずのわたしが見える
|
||||
3. |
海鳴りに寄せて
03:52
|
|||
|
作詞：稲葉篤史 作曲：野口恵
「誰も知らぬ場所からそれは聴こえる」
「誰も知らぬ場所からそれははじまる」
「靴音か」
「雨音さ」
吐息が告げる黄昏のフレーズ
焼ける雪を 凍る火を 交わらない平行線を
終わる夏を 来る秋を 季節の回廊を往く
ああ 晴れた日の青い空 暮れゆく海岸線の色
思い出だけが見える 記憶の螺旋階段を
「今日を知らずぼくらはなにを語れる」
「明日を知らずぼくらはなにを笑える」
「衣擦れが」
「道連れさ」
渇いた胸に雨粒がふれる
奏でる音 弾く糸 つながらない点と点を
覆い尽くすこの空白を 幻に変えて
ああ 旅立ちを 夕立を まだ見ぬ海岸線の色
裸足になって駆け下りる 記憶の螺旋階段を
|
||||
4. |
砂上の涙
05:50
|
|||
|
作詞：稲葉篤史 作曲：野口恵
にわか雨に濡れたのは移り気なこころ模様
くたびれた街並みを夕焼けが嘲笑った
ためらう胸と はやる足取りを
にじむ夕空に馴染ませたなら きっと
あなたがかけた魔法が わたしを自由に変える
おとぎ話にすらならないような ありふれた夏も
かなしみだけが砂上の涙のように胸を撫でて
時を止めるなら
庭の隅で忘れていた木漏れ日が眼を覚ました
飾られた言葉たちを少しずつほどいてゆく
浜辺に描くまだ見ぬ明日を
連れ去る波のいじらしささえ 愛そう
誰かがかけた魔法が ふたりの世界をあやつる
笑い話になどできないような 別れがきても
さよならさえが胸を焦がす火種になるのならば
そっと灯そう
あなたがくれた魔法が わたしを自由に変える
おとぎ話にすらならないような ありふれた夏も
微笑みだけが砂上の涙のようにしみこむから
時を止めるから
|
||||
5. |
いつかのレイドバック
04:27
|
|||
|
作詞作曲：稲葉篤史
春が知らぬ間にすぐそばまで来て
わたしを惑わせる準備はできていた
いつか飽きるまで眺めた並木を
あなたはひとりで歩いているでしょうか
浮き足立って酔って
「花盛りだ」ってはしゃいでた
だらしなくてくだらないあなたを
忘れられないのは
いつまでたっても青いまま
摘み採れないまま風に落ちた恋が
あの恋が
きみはいつの間にぼくのそばにいて
踏み外さないように見ていてくれたんだ
時には盛大につまずいて苦笑い
眼がくらむまで眺めてたあの春空
浮き足立ってオーライ
空回りさえもがレイドバック
「そりゃいいね」って腐して笑ってた
きみの顔ばかりが
いつまでたっても青いのは
摘み採れないまま風に落ちた恋が
この恋が
|
||||
6. |
replying
04:11
|
|||
|
作詞：野口恵 作曲：稲葉篤史
引き出しの奥の奥の方でつかえていたのは
暮らしを変える度に連れてきた便箋
I can't stop replying that night 今も
何も無い日を持て余して読み返してみる
今にも隣で聴こえそうな "Sweet dreams"
I can't stop replying that night いつも
何が起こっても変わりやしない
僕のことをいつだって
笑って許して愛していたのかい？
I can't stop replying that night ずっと
|
||||
7. |
ララバイ
04:31
|
|||
|
作詞：野口恵 作曲：稲葉篤史
空が白んで朝の光が
きみの顔を隠してしまう前に
何を言えるだろうか
夜が明けても変ることのない
きみの答えを知りたいわけじゃないさ
ただ側に居られたら
あなたのことがふと恋しくなって
徒に過ぎて行く日がもどかしくて
夜風に乗ってきみの香りが
どこかへ行ってしまうような気がした
肌寒い夜の隅
澄み渡る星空に今 願うのならば
こんないとおしい日の
続きを話そう
見慣れたこの部屋で
続きを話してよ
聴き慣れたその声で
|
||||
8. |
春風
03:49
|
|||
|
作詞：野口恵、稲葉篤史 作曲：稲葉篤史
正夢 咲いたら
物語の続きは目の前
忘れたはずだった
醒めない夢へといざなうような
mellow love song
tiny life song
ただ静かに風を見つめてる
よく晴れた広い空に 真昼の月が輝く
遠くの街へ届けられるような 高鳴りを連れて
今から会いにゆくから 君のことを教えてよ
忘れた頃に時は流れだす 春風の吹くように
君がうたうmellow love song
ぼくがうたうtiny life song
夜を越えるためなら
いっそover the rainbowさ
ほかにはなにも信じてなんかいないさ
ありふれた日々のことも 忘れていた幼い日も
また会えるさと 約束もなく 別れた日のことも
君の香りによく似た 暖かな季節が来る
溢れるほど熱い光の粒が 僕らを駆け巡る
今すぐ会いにゆくから 君のことを教えてよ
再び時は動きはじめる 春風の吹くように
|
||||
9. |
Trailer
04:16
|
|||
|
作詞：稲葉篤史 作曲：野口恵
雨の駅前通りを追いかけていた
窓の灯りが消えたら
ここは水の中
寝ても覚めても見ていた夢があった
顔のない街であなた
湿ったチェスターコートを引きずって歩いてた
長い夢から覚めてしまったら
眠り続けるしかない
これはありもしない映画の話
終わりのないトレイラー
待てど暮らせど便りは届かなかった
だけど弱気な言葉を口にしたならば
すべて水の泡
高い夜空見上げたあなたは
降り出す雨を待つようで
なぜかとても見ていられなかったの
白々と夜は明けて
長い夢から覚めたわたしは
泳ぎ続けるしかない
これはありもしない映画の予告
見たくもないトレイラー
|
||||
10. |
二十四節気のオーバチュア
04:49
|
|||
|
作詞作曲：野口恵
目を閉じれば聴こえる君の声は
幼い頃口遊んだ春に似ている
分かりきった黄昏が眩しいのは
甘いノスタルジアに魅せられたから
思い出は何処へもゆけない
嘯いて騙されてみて
花冷えが運んだ季節を
両手で 暖めて 連れて行こう
地下鉄を出れば聴こえる息遣いが
高層ビルを駆けてゆく靴音が
終わることはもう忘れたように
風は吹いて 雲は流れて 君の住む街へ
逆さまで不格好なメランコリー
睫毛の先で躍る夕陽が揺らいだ
僕が口走ったエピローグの先で
君が語るプロローグに身を委ねよう
思い出を描きにゆくなら
遠い遠い場所がいい
通り越して行く街並みに
ここに 面影は 置いてゆこう
見違えるくらいに清々しい夜風が
瞳の深く奥で輝いている
終わりなどもうなくしたように
風を切って 雲が晴れて いつも胸の中で
|
||||
Forte Testimonii Tokyo, Japan
First Album
"Forte Testimonii"
Out 2020/4/19
Including 10 songs
All songs
produced by Forte Testimonii
Member:
Megumi Noguchi
meguminoguchi.bandcamp.com
Atsushi Inaba
atsushiinaba.bandcamp.com
... more
If you like Forte Testimonii, you may also like:
featured on Bandcamp Radio Mar 26, 2024
go to album
Introspective, homespun folk tunes from John Donne that feel informed by the sugary bleakness of '80s and '90s indie pop.
go to album
PuSHING THE PuLL DOoR
by Tom Houston
Tom Houston swings between heartfelt folk and quirky slice-of-life spoken word, augmented with electronics, on his latest LP.
go to album
The tender UK psych folk on “Continuum” explores motherhood through song.
go to album
Little Anchor
by Bev Lee Harling
The first solo release in over a decade from Bev Lee Harling is a personal travelogue filled with euphoric compositions.
go to album
In Our Nature (Album)
by José González
featured on Bandcamp Radio Sep 21, 2021
go to album
featured on Bandcamp Radio Sep 21, 2021
go to album
